先日仕事終わりに前職の後輩Pくんと2人でサウナ。
大阪寺田町にある天竜湯(https://onsen.nifty.com/oosakashinai-onsen/onsen009845/)
に行ってきた。
この温泉、Pくんが以前から目をつけていたそうで、今回彼の強い要望で行くことになった。
Pくんもサウナーであり、最近大阪の色んな銭湯サウナを試し歩きすることにハマり、4か月程度で既に30件以上の銭湯サウナを経験してきているよう。
(まあ、大阪全ての温浴施設を回った俺からするとまだまだだが。)
今ではサイトに載っている内観写真を見るだけでその銭湯が「整う」か「整わない」かわかるようになってきたらしい。
※注:「整う」というのはサウナ用語であるが、詳しくはまた別ブログで書く。要はサウナ後ディープリラックス状態に入ること。
P「たぶんこのサウナは結構期待できると思うんですよね。評判も良いですし。」
俺「ほんまかいな。微妙そうじゃない?グランシャトーでもええか思ったけど、まぁお前が言うんやったら今日はそこ行こか。」
P「ぜひ!ちょっと遠いですけど、行きましょう。」
そんな感じで初めての天竜湯へ向かった。
銭湯の入り口のドアを開けると、番頭が若いお姉さんで、休憩スペースも広く清潔感がある。
これは期待できるかもしれない。
サウナも飯も人間も、まずは見た目の清潔感が基本なのである。
中身はそこを越えてから。
「性格良ければ良いと そんなのウソだと思いませんか」
広瀬香美よ、俺もそう思う。
さて第一印象はクリア、脱衣所で服を脱ぎ、いざお風呂へ。
入浴場はいたって普通。まあここは特に気にしていない。まずは入り口左にある桶を手に取り、全身を洗う。
サウナーはまず体の汚れを落とすところからスタートするのが基本。
マナーとしての意味と、体表面の汚れ除去による発汗促進の意味がある。
体を洗い終えたあとはお風呂に入る。
体を一定温めてからサウナに入ることで、更に汗の出が良くなるのだ。
ここまでがサウナに入る前の黄金ルーティン。本番を最高に楽しむための基本動作を終え、いざ出陣。
高まる気持ちを抑えながら入浴場の最奥に佇むニルヴァーナを目指す。
隣のPくんも新しいサウナに対して非常にワクワクしていることが俺の話への返し全て生返事であることからも伝わってくる。
サウナに入る前、Pくんがふと水風呂に手を入れた。
サウナー特有の行為であるが、おそらく事前に水温を確かめたかったのであろう。
まもなく、プレ入浴でやや赤まったPくんの顔が、みるみる青ざめていった。
俺「(まさか・・・)」
すかさず俺も水風呂にサッと手を入れる。サウナ歴10年、入れた手の中指の第2関節時点でその全てを悟った。
ぬるい。ぬるすぎる。
サウナーが最も恐れていること、それは水風呂の温度が高いことだ。
以前のブログ記事にも書いたが、サウナとは「水風呂に入る」ためにあるものだ。
水風呂なくして誰があんな熱いところに入るものか。そもそも人間は高温多湿が苦手な生き物なのだ。
水風呂の温度が高い場合、サウナで限界まで温めた体を冷やすことができず、
副交感神経をうまく刺激できないため結果βエンドルフィンの分泌(快楽物質)は期待できない。
つまり、明らかに整わない不快なサウナとなってしまうのである。
普段15度程度の水風呂にこだわっている俺にとって、19〜20度程度あるココの水風呂は、もはや白湯だった。
目の前に起こった絶望と怒りを噛み締め堪えながら、再度隣のPくんを見る。
まだ水風呂を見つめたまま動かない。
きっと、俺も彼も、同じことを走馬燈のように思い出していた。
Pくんがサウナにはまってもう30件も行ったんすよ〜とイキっていたこと、
Pくんが最近ではサイトの内観写真を見るだけで整うかわかるんすよ〜とイキっていたこと、
Pくんが先輩の意見を差し置いてイキってゴリ押ししてきたこと、
Pくんが先輩のちんこよりも自分のちんこが大きいことを確認してそっとイキっていたこと
得体も知れないほどの大きな後悔、恥じらい、後ろめたさを感じたことであろう。
もうよいP、俺にだってそんな時期はあった。
今日のことを教訓に、また謙虚に一からサウナを学んでいけば良いではないか。
人には誰だって失敗はある。
ちゃんと素直に謝って、そこから前に進めば良いじゃないか。
「あんなサウナもあったねと いつか笑える日がくるわ」
中島みゆきよ、俺もそう信じてる。
次の瞬間、彼は口を開いた。
P「・・い、、いい感じですね、ちょ・・・ちょうど整うか整わないかぐらいの温度です・・ね。」
俺はキレた。